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アメリカ編

その3 ソウルフード

ソウルフードの写真ソウルフード

 アメリカ・ソウルフードとはどんなものかご存知ですか? もともとはアメリカ南部のアフリカ系アメリカ人たちの間の家庭料理。奴隷制度時代から彼らの間で作られてきた独特の料理。奴隷時代の貧しい頃の乏しい材料で作られたレシピが元になっている。
 白人農場主は奴隷たちに過酷な労働を課し、自分では決して食べない残り物の食材を与えた。豚肉なら足、耳、尻尾、内臓など。その限られた食材に母なる大地アフリカのフレイバーを加え、美味しく栄養満点の料理に仕上げた。これがソウルフードのルーツ。後に大都市ニューヨーク、シカゴなど全米に広がり、それぞれの街で、親子代々ソウルフードを伝えてきた。フライドチキンはソウルフードの代表的なもの。チキンと一緒に出されるグリーン(からし菜の煮付)、コーンブレッド。またナマズのフライ、煮込みビーンズ、ガンボー(南部式煮込みご飯、エビとかチキンをスパイス、野菜とじっくり煮込んだもの)、またフライド・グリーントマトと呼ばれる青いトマトをフライパンで炒めたもの…などなど。
 ソウルフードは素朴でボリュームのある料理が多く、揚げ物にはトランス脂肪酸の多いショートニングがよく用いられる為、なぜかソウルフードには不健康なイメージが付きまとう。しかし、代表的な野菜であるカラード・グリーンズは豊富なビタミンA・B6・Cとオメガ3脂肪酸、カルシウム、葉酸、植物繊維を含む。多くの奴隷州では奴隷が読み書きを習うことは違法であった為、ほとんどのソウルフードのレシピや料理法はしばしば口承で伝承された。アフリカ系のアメリカ人の家庭では、祝日に料理を皆で分かち合う大切さが重んじられている様だ。そんな時は、カロリーがどうとか、栄養面であーだ・こーだなど気にしない。彼らはソウルフードに大いなるプライドを持っているのだ。