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ベルギー編

その1 美食の国ベルギー

ムール貝のワイン蒸しの写真ムール貝のワイン蒸し

 食の国と言えばフランスと言う定説が一般的。しかし、世界の美食家が一目置くのがベルギー流フレンチなのである。
 食通の間では「本場に負けない美味しいフランス料理が食べられる」と感嘆の声が頻り。首都ブリュセルのレストラン数は人口比でヨーロッパ第一位と言われている。他の先進国に比べてファーストフード店の出店が少ないのも味覚に対する国民のこだわりかもしれない。ベルギー料理は地理的にも歴史的にもフランスから多大な影響を受けているが、フランス料理に比べて素朴で優しい味わいと評価されている。
 ベルギーの料理を大別すると、フランス料理とよく似たワロン料理とフランス料理を基礎に独自の発展を遂げたフランドル料理に分けられる。北海に面したフランドル(フランダース)料理は新鮮な海の幸料理が多い。一方南部のワロン地域は山の幸の宝庫。兎、鹿、イノシシなどを使った郷土色の強い狩猟料理が楽しめる。近年ではミュシュランのレストランガイドで星付きの店が急増しているとか。
 筆者がベルギーを訪問した時は、ちょうどベルリンの壁が崩壊する一か月前だったが、とにかく何を食べても美味しかったと記憶している。特に印象に残ったのは、バケツみたいに大きな器に入ったムール貝のワイン蒸し。その量の多さにまず驚かされたが、味は最高だった。ベルギー旅行の際は絶対見逃さないで食べて欲しい。