インドのカースト制度は、紀元前1500年頃、インドを征服したアーリア人が先住民の肌の色で差別したのが始まり。インドでは「ヴァルナ」と「ジャーテイ」と呼ばれている。ヴァルナは階級で、上からバラモン(支配階級、僧侶)、クシャトリア(王族、貴族、軍人)、バイシャ(商人・工業従事者)、シュードラ(農業労働者)に分かれる。その下にダリット「(不可触民)、現在は指定カースト(下層階級)と呼ばれている」。そしてジャーテイはカーストを職業で細分化したもの。
不可触民は「アウトカースト」とも呼ばれ「触ると穢れる人間」とされ、触れることも、近づくことも、声を聴く・見ることもいけないとされた。そのため、彼らが近づく時、接触を避ける為、音で彼の存在を知らせていた。長い間、カースト制度の階級差別による犯罪(殺人・虐待)で多くの下層民は悲惨な生活と迫害を受けていた。現代のインド憲法では、カースト制の差別は否定されているとは言え、依然としてインド社会ではカースト制の影響は根強く残っている様だ。我々人間は、自分たちより低い身分を創造して差別するという性を持っているのかもしれない。
しかし、経済成長の著しいインドにおいて、カースト制(ジャーティ)はある意味において、徐々に曖昧になってきている。カースト制度から抜け出す方法として、ヒンズー教から他の宗教に改宗、特にイスラム教に改宗する人が多い。また、職業は親から代々受け継ぐもので、変えられないが、唯一それを免れる職業がIT関連の仕事。ITの仕事自体が新しく、カースト内に属していないことが理由。身分に関係なくITの仕事に就く事ができる。IT関連の企業に優秀なインド人が多いのも納得。