茎工房
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コラム〜世界の食〜

ブラジル編 -オリンピックと食事情-

 いよいよ第31回夏季オリンピックがブラジルのリオデジャネイロで8月5~8月21日まで開催される。南アメリカ大陸でオリンピックが開催されるのは初めてである。8月はブラジルでは冬季。平均気温摂氏22度前後の過ごしやすい気候の中で競技が行われる。
さてブラジルと言えば、すぐ思い浮かべるのが“サッカー大国とリオのカーニバル”。そして、ブラジルの国民的料理と言えば「フェイジョアーダ」だろう。塩漬けした牛肉や豚肉の骨の付いた部分、耳・すね肉などの部分を黒豆と煮込んだ料理。そんな国民食はいつ、どのように生まれたのだろうか。フェイジョアーダはもともとアフリカから連れてこられた奴隷の料理。主人の食べない豚の鼻、耳、尻尾、内臓や屑肉など廃物を活用して、黒人奴隷が家畜の餌だった黒インゲン豆と煮て食べたのが始まり。美味しそうに食べる奴隷を見て、主人も真似して食べ始め、結果的にブラジルの代表的料理になった様だ。美味しい料理に奴隷も主人も関係ないのかも。
 また、家族との絆を大切にするブラジル人は、週末になると、友達や家族の家に集まって、食事とお酒を楽しみながら、一週間の出来事を和気あいあいと語り合う。そんな時、大活躍するのがシュハスコ(ブラジル風BBQ)だそうだ。串刺したお肉を、岩塩のみで簡単に味付けし、豪快に焼いたもの。そこに冷えたビールがあればそれはもう至福とか。オリンピック時に行く機会があったら、是非、本場のフェイジョアーダとシュハスコを食したいものだ。この2年急激な経済悪化から、一時オリンピック開催が危ぶまれた時もあり、また治安の悪化の心配も囁かれている。 次期開催国の日本と言えば、夏の猛暑を考えると心配だし、深刻な問題かも。“何故、8月なの?”と思うのは筆者だけではないはず。

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