茎工房
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コラム〜世界の食〜

エジプト編 -エジプトの結婚事情-

 今回、食・スイーツからちょっと脱線するが、エジプトの結婚事情について興味深いので触れてみたい。
中東各地を旅すると、(容姿年齢問わず)大抵誰でも一度や二度は、現地の男性にアプローチされる様だ。それどころか、単刀直入に「結婚してほしい」と迫られることも。NBCのニュースインタビューでは、ナイル川沿いに住む男性一人が「結婚したいと思う女性に出会ったが、結婚式費用を貯める為にはあと7年間は結婚できない」と切実に証言している。エジプトで行われた調査によると、平均的に男性は4年間かけて結婚費用を貯めなければならない。それに対して、女性が支払う義務のある結婚費用は6か月程。男性が支払う結婚式の費用の中に、式だけではなく、夫婦の住む家、家電製品や家具も含まれる。また花嫁に盛大な宝石をプレゼントも。実際、エジプト、チュニジアでは、結婚資金どころかその日の生活もままならなく、日本の様に「結婚したいけど相手がいない」というレベルではない様だ。ナイル川沿いの貧困層の人たちからすれば、結婚式にかかる費用は一年間の生活費の15倍になる計算。
 また実際結婚となると、イスラムの世界では、結婚=契約。男性側からの日本の結納金にあたる婚資金(マフル)の額がしっかりと文章化される。驚いた事に、この契約には「離婚した場合に支払う金額」も入る。イスラムの男性中心の世界の中で、嫁に出す娘を守る術の様だ。

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