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台湾編

その1 台湾の食事情

台湾の屋台 台湾の屋台

台湾は日本の九州ほどの面積に2,343万人が住んでいる。歴史的にも、経済的にも古くから日本との交流は活発。親日的で、日系企業の進出も多い。
台湾料理という言葉は、日本が台湾を領有した翌年の1886年に日本料理と現地の料理を区別するために命名され、日本人によって、突然一つのジャンルとして登場したのである。1920年以降、台湾料理はそのおいしさに舌鼓を打った日本人を通じて日本本土の婦人雑誌でも紹介されるようになった。現在日本人にもおなじみの台湾グルメ“牛肉麺”は、第二次世界大戦後、国民党とともに流入してきた200万人超の人々と共に台湾へやってきた中国北方の料理である。
台湾では夫婦共稼ぎが一般的で、家庭で料理を作る時間的な余裕がない。屋台を含めた外食は台湾人の日常生活に溶け込んでいる。家庭向けでは、半調理品(中食)など利便性が高い食品が求められている。
台湾人の朝食はパンとコーヒーなど、徐々に西洋化して来ている。ライフスタイルの変化に加え、「食の安全」への消費者の意識も高まっている。有機食品にこだわる消費者も増えている。日本産農産物は無農薬・有機農法といった安全性、品質の高さから評価が高く、台湾向け輸出額は世界一位である。かつて高価な日本製食品は在留人と台湾の富裕層が主な購買層だったが、現在は中間層もターゲットになっている。台北市などを中心として、ラーメンブームが起こっており、寿司はすでに一般化している。台湾は日本にとって魅力的なマーケットである。