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タイ編

その2 タイ料理の歴史背景

アユタヤ遺跡の写真アユタヤ遺跡

 タイ料理は大きく分けて、3つの文化から育まれた。最初はスコータイ時代(1238〜1378)、食文化はカンボジアなどの近隣からの影響を受けていた。3代目のラムカムヘーン王の碑文によると「スコータイはとても良い所だ。水には魚が泳ぎ、田には米が実っている」。食生活が豊かだったことが想像できます。
 次にアユタヤ時代(1350〜1767)が到来します。この時代に現在の宮廷料理の基本が形成された様です。日本をはじめポルトガル、オランダ、ペルシャ、インド、中国など海外との貿易も盛んで、食文化が劇的な進化を遂げた様です。山田長政もこの時代に活躍した日本人。ポルトガルから唐辛子が持ち込まれたのもこの時代。タイ人は唐辛子を大変好み、あらゆる料理に唐辛子を入れます。ナムプリックという酸味のある調味料もこの頃既に使われていたようです。
 そして現代に至るバンコク時代。地域的には、イサーンやタイ北部はもち米を主食とし、南部にはマレー料理の影響を受けたケーン・マッサマン(イスラム風カレー)。また最南部に多いムスリムは、他の地域とムスリム同様、豚肉を禁忌とする食習慣。近代に入って、華僑の大規模な移住(多くは広東省潮州から)により、いくつかの中華料理は現地化してタイ料理の定番メニューとなっている。朝食に中華粥を食べる習慣などタイの食生活に広く浸透している。現在ではバンコクは世界各国の料理が楽しめる国際都市である。